業務デジタル化における ノーコード・ローコード開発のメリットとは

最近少しずつ「ノーコード・ローコード」という言葉が認知されてきましたね。
なんとなく「プログラミングを書かずとも、誰でも簡単にシステム化できるツール」というイメージをお持ちでしょうか。
ノーコード・ローコードツールは、ただ単に「開発工数が削減できる便利なツール」というだけではなく、「経営戦略」として取り入れるべきものなのです。
弊社の経営陣たちが普段話をしていることなども含めブログにしてみましたので、経営層や経営企画、また情報システム企画の方々にぜひ読んでいただきたいです。

ノーコード・ローコードとは何か

全社のデジタルシフトを推進したいと考えている皆さん。
皆さんはノーコード・ローコード開発やノーコード・ローコードツールというものをご存知ですか?

まずはノーコード開発、ノーコードツールについて簡単にご説明しましょう。
これまでは、専門スキルを持ったエンジニアがプログラムを書くことでシステムを構築していましたが、ノーコード開発の場合は、ノーコードツールを利用して、プログラムを書かずに直感的なドラッグ&ドロップの操作のみでシステムを開発することができます。

「ノーコード」に対して「ローコード」はその名の通り、ほんの少しだけコード=プログラムを書く必要がある領域になります。ノーコードだけでは対応できない複雑なシステム化はローコードで対応します。

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ノーコード・ローコード開発で抑えるべきポイント

ノーコード・ローコード開発で抑えるべきポイント

ノーコードツール導入後に起こる課題と、それに対するおすすめの解決アプローチを、お客さまの取り組み事例とあわせてご紹介します。

ノーコード開発、ノーコードツールの登場により、システム開発はエンジニアだけの領域でなく、プログラミング知識のない方でもシステム化することを可能にしたのです。
プログラミング知識のない方=業務部門の方でもシステム化ができるということは、大企業にとって想像を超えるメリットがあるのです。

全社のデジタルシフトをミッションとされている皆さんは、ノーコード・ローコード開発、そしてノーコード・ローコードツールについての正しい知識を持つことは必須です。

システム部門はローコード開発。現場部門はノーコード開発

ノーコード・ローコード開発やツールが「今」注目されるのはなぜか

ノーコード・ローコード開発やツールは実は十数年前から存在しておりました。
しかし、昨今急に注目を集めるようになりました。それはなぜでしょうか。

注目される背景は複数あります。
まずは「深刻なIT人材の不足」であるにもかかわらず「ニューノーマル時代の働き方」が早急に求められている時代背景です。 あなたの会社の情報システム部門の状態を想像してみてください。
コロナ禍により急速にリモートワークを可能にするため、必死にデジタルシフトによる働き方改革を先導しているのは情報システム部門です。 情報システム部門が全社のデジタルシフトを推進しているなかでも、業務部門から多くのリクエストは飛んできます。 それに全て答えていたら情報システム部は疲弊してしまいます。

さらに、情報システム子会社やシステムベンダーに外注している場合もあるでしょうが、ここでも深刻なIT人材不足です。コロナにより全国・全世界で一気にデジタルシフトが推し進められていることもあり、需要が供給を完全に上回っている状況です。

次に、テクノロジーの進化も注目される理由の一つです。
クラウド基盤を使ったコンピューティングパワー、ストレージの拡張性や柔軟性、APIを使った複数のアプリケーションによる横断的開発。これらが可能になったことにより、大型のエンタープライズ系システムの開発もノーコード・ローコードでも実現可能になりました。

調査会社ガートナーは、「ローコードアプリケーション開発は、2024年までに、世界のアプリケーション開発の65%以上になる」と予測しています。
今回の注目が単なるトレンドではなく、これらがニューノーマル=新しい常識になることは間違い無いでしょう。

ノーコード・ローコード開発プラットフォームは大企業を「深刻なIT人材不足」から救い、そして、ノーコード・ローコードツールがあれば誰もが「業務デジタル改革者」になれるのです。

大企業にとってのノーコード・ローコード開発のメリット

ノーコード・ローコード開発やツールは、大企業にとって想像を超えるメリットがあります。

メリット1.デジタルシフトのスピードUP

情報システム部門のみでデジタル化を進めていてもスピードに限界があります。それが業務部門を巻き込んだ「全社」で一気にデジタル化が進むことは、「遅い」「重い」「変わらない」と表現される大企業にとって救世主となるでしょう。
業務部門の方は「業務のプロ」です。業務を知らない情報システム部門がデジタル化するよりも、「業務のプロ」がデジタル化した方が早いに決まっています。これぞデジタル変革です。

メリット2.大幅コスト削減、環境変化への柔軟な対応

大企業であれば、情報システム子会社やシステムベンダーにシステム開発を外注している場合も多いでしょう。全社共通のデジタルシフトだけでなく、業務部門の個別のデジタルシフトを合わせて行うには、時間もお金もかかります。
ましては、この激変する時代は、一度作ったシステムでも、時代の変化に合わせて柔軟に修正・変更を加えていくことを考えると、外注の場合は更なる費用がかかります。費用を理由に、修正・変更を先延ばしにしては、レガシーシステムと表現されるものが いとも簡単に出来上がってしまいます。(既に今あるレガシーシステムが足かせになっている企業も多いのではないでしょうか)
ノーコードツールを使えば、業務部門自らが開発することができコストは大幅に削減。さらに、世の中の変化=業務の変化に素早く対応できるという大きなメリットがあります。

メリット3.業務部門の自律心、デジタルマインドセットの醸成

自分の業務を自分でデジタル化できるようになると、業務のちょっとした変化が生じた際に、システムを更新することが自分でできるようになります。わざわざ情報システム部門への助けを必要としないのです。自分の業務システムを自由に変更できるようになると、自律的に業務をもっと楽にしよう、良くしようと考えるようになります。
ビジネスパーソンとしての発想・思考と業務課題の本格的理解ができるようになるのです。 そしてテクノロジーに触れることを恐れない姿勢も自然と身につくのです。
現場部⾨(⾮ IT 部⾨)が⾃らデジタルを活⽤できるようになり全社のデジタル化が加速すること、つまり「デジタルの民主化」が進むことはDXを実現する組織づくりにもつながると弊社では考えています。

「デジタルの民主化」DXに立ち向かう組織の絶対条件

メリット4.人材アロケーションの最適化

業務部門のシステム化は業務部門のメンバーに任せれば良い。ではプロ開発者である情報システム部門は何をするのか?より高度で戦略的なプロジェクトにアサインすることができるのです。
貴重なエンジニアリングリソースは企業の競争力を高める戦略領域に投入し、業務オペレーションなどの非競争領域においては業務部門主導でデジタル化を進めるという人材アロケーションの最適化が実現できます。

業務部門がノーコードツールでデジタル化する様々なメリット!

ノーコード・ローコード開発のメリットを解説しましたが、実際の取り組みをもとにすればよりそのメリットをイメージしやすくなるでしょう。こちらの記事では大和ハウス工業やヤマダホールディングスの活用事例を紹介しています。ぜひあわせてお読みください。

ノーコード・ローコードツール活用事例、開発のメリットを解説

さて、ノーコード・ローコード開発およびツールが大企業の「経営戦略」として重要な役割を果たすということがお分かりいただけたでしょうか。 では、具体的にどうやってノーコード・ローコードツールを選定するのでしょうか。
次は大企業がノーコード・ローコードツールを導入する際のポイントをお話ししたいと思います。

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マーケティンググループ 金井

この記事の執筆者:金井 (マーケティンググループ)

大手SIerからベンチャー企業に転職。
データ分析・活用をきっかけにエンジニアからマーケティングに職種をチェンジし、現在はマーケティング業務とカスタマーサクセス企画業務を兼務。